prince
shadow
公爵家の人々

プリンス ルイ=アルベール・ド・ブロイユ

--

ブロイユ公爵家には現在3人のご兄弟があり、私たちがこれからご紹介するのは末弟にあたるプリンス ルイ=アルベール・ド・ブロイユです。フランスでは公爵はプリンスとお呼びしますので、それに倣い、ここでもブロイユ公爵あるいはプリンスとお呼びすることにいたします。

ブールデジエール城

--

城ロワール河流域地方はシャンボール城やシュノンソー城など、かつてのフランス国王の居所や狩場があり、ユネスコによって<世界遺産>に指定されています。風光明媚なこの地方に、フランス=ルネッサンスの面影を残す小さなお城があります。これがブロイユ公爵家所有のシャトー・ド・ラ・ブールデジエールです。国王フランソワ一世(1494〜1547年)が愛人マリー・ゴードンの為に作らせたもので、ルネッサンスの擁護者であった国王の好みが随所に見られ、城館から庭園へ続く門はレオナルド・ダ・ヴィンチの作です。

プリンスは<トマトのプリンス>とも呼ばれます

--

トマト広大な庭園にはフランス式菜園があり、季節になると見事なトマトがいっぱい実ります。長いもの、丸いもの、大きいもの、小さいもの。赤や黄色、グリーン、アイボリー、それに黒や縞模様もあります。
実はこの菜園こそプリンスの生涯をかけた一大プロジェクトのステージなのです。“子供の頃食べたトマトはもっとおいしかったのに!”おいしいトマトを求めるプリンスは、市場に出回るトマトの種類の少なさに驚きました。この驚きがことの始まりで、プリンスは庭師マーク・ブリジオンを招き、城館の裏に菜園を作らせ、トマトの原種を復活させました。現在その数650種類。1992年には<国立トマト保存菜園>に指定され、世界に向けてトマト情報を発信しています。プリンスはトマトを通して、減少する植物の種の保存を訴え、菜園を訪れる人たちに<bio-diversity=多様な生命>への理解を深めて欲しいと願っています。プリンスの活動を良く知る人たちはプリンスを<トマトのプリンス>と呼んでいます。
英国のプリンス・オブ・ウェールズ, すなわちチャールズ皇太子もバッキンガム宮殿でトマトつくりに夢中になられた時期があるとか。今では「公領で取れた農作物を活用するため」の会社を設立、開発した商品も200種類に及ぶそうです(読売新聞 2007年1月4日 王室新時代 起業する王族たち)。ひょっとするとプリンスはどこの国でもトマトがお好き?